<センバツ高校野球:長野日大2-0北大津>◇29日◇3回戦

 長野日大が「足攻」で貴重な1点を奪って、長野勢17年ぶりのベスト8に進出した。中原英孝監督(62)は「イチかバチか、勝負をかけました。弱いチームはそれをやらないと勝てないですから」。3回1死一塁、走者の池田秀弥(3年)が二盗、三盗を決めた。直後にスクイズで本塁を踏んだ。池田は「三盗は『行けたら行け』のサインです。僕は三盗が得意なんです」と話した。初戦は今治西から計5盗塁、この日は3盗塁。雪の上を地下足袋でランニングした足が、晴れ舞台で勢いよく走る。

 17年前はエース上田(中日)を擁した松商学園が準優勝した。このチームも中原監督が率いた。「今年の選手は雪で実戦が少ないのによくやっている。ノーエラーは褒めてやりたい」。明大ではヤクルト高田監督と同期。「昨日(28日=巨人との開幕戦)は、うちの初戦と似た点数をとったかな。でも向こうはプロですから」。準々決勝は明大の後輩、松本吉啓監督(49=千葉経大付)と対戦する。「先輩を立ててもらわないと」。ベテラン監督の采配がさえ、17年前を再現しつつある。【米谷輝昭】