<高校野球北大阪大会:大阪桐蔭2-0履正社>◇26日◇決勝

 土がついたホオに、涙がこぼれ落ちた。「立ち上がりのフォアボールがなければ。全部自分の責任。チームに迷惑かけてしまって本当に悔しい」。履正社のエース吉川侑輝(3年)が唇を震わせた。3安打しか許さなかったが、先制点の引き金になったのは初回の先頭打者への四球。力投で大阪桐蔭に立ち向かい、9回の最終打席では頭から一塁ベースに飛び込む執念を見せた左腕は自分を責めた。

 過去3年、夏が来るたび負けてきた相手を今年も崩せなかった。春は背番号「9」の右翼手としてセンバツを経験。連日150球の投げ込みで制球力をつけ、今夏は「1」を背負ってチームをけん引した吉川も「宿敵」に屈した。

 「吉川は最高やった」とエースをたたえた岡田龍生監督(47)。だが初出場した97年以来の夏の甲子園切符目前で敗れた理由も明確だ。「課題は打撃力。バントもきっちりできるようにしないと。もう1回やり直しです」と、攻撃面の強化を誓った。【木村有三】