第90回全国高校野球選手権(8月2日開幕、甲子園)に出場する常葉学園菊川が26日、甲子園ベンチ入りメンバー18人を決めた。静岡大会では応援組だった浅川将輝投手、北島良亮内野手(ともに2年)が、初のベンチ入りを果たした。浅川は左耳にメトロノームを着けて投球練習。投球のリズム改善に取り組んでいる。高校通算12本塁打の長距離砲北島は、昨夏の甲子園で大ブレークした伊藤慎悟中堅手(3年)に続く活躍を狙う。

 「殿馬投法」に取り組む浅川と「ミラクル再現」を狙う北島が、甲子園ベンチ入りを決めた。39年ぶりの静岡大会連覇から一夜明けると、常葉学園菊川が早くもベンチ入りメンバー18人を発表した。

 浅川は、最速138キロの直球を持つ本格派右腕だ。静岡大会では背番号11で1度はメンバー登録されたが、大会直前に丹治秀明外野手(2年)と交代。スタンド応援組に回った。佐野心監督(41)に「能力は戸狩(聡希投手=3年)と同じぐらいある」と将来性を評価され、甲子園ベンチ入りが決まった。「人生で一番びっくりしました。秋に懸けてましたけど、しっかりやらないといけない」。驚きの表情を浮かべながら、意気込みを語った。

 威力ある直球を持ちながら出場機会に恵まれなかったのは、投球にリズムを欠いていたから。この日、佐野監督は浅川に小型メトロノームの着用を指示した。これは佐野監督の長女がドラム練習に使っていた器具で、耳元でリズムを刻む。漫画ドカベンで「チクタクチクタク」とリズムを取って打撃を行う殿馬二塁手をほうふつさせる投球法で、甲子園での快投を目指す。

 高校通算12本塁打の北島は「ミラクル慎悟」の再現を目指す。静岡大会期間中の紅白戦で16打数6安打、2二塁打と爆発し、甲子園メンバー入りをつかんだ。これは昨夏甲子園で史上初の代打同点弾&決勝打した伊藤と同パターン。「ああやって自分もできるのかな」と見ていた舞台に立つことが決定し、2年連続のミラクル劇に「してみたい」と意欲的だった。

 布陣を整えた常葉菊川は29日に大阪入りする。【斎藤直樹】