3年連続21度目の甲子園出場決定から一夜明けた26日、仙台育英ナインに前代未聞のハプニングが待っていた。前日25日の東北との決勝戦後に行われた歓喜の胴上げで、佐々木順一朗監督(48)が右肋骨(ろっこつ)2本を亀裂骨折していたことが判明。全治3週間と診断された。もっとも今後の指揮には影響なく、笑いに変えてしまうほど余裕たっぷり。指揮官を襲ったアクシデントを格好の厄払いに?

 本大会に臨む。

 午後1時の練習開始直後のことだ。集まった報道陣に向かって、佐々木監督が語り始めた。「みなさんにいいネタを提供しましょうか」。そう笑みを浮かべ衝撃の事実?

 を明かした。「昨日の試合で負傷者が出ました…。私です」。

 経緯はこうだ。前日の優勝決定後、佐々木監督は3度、選手の手によって胴上げされた。問題はその1回目。バランスを崩し、右半身を下にしてナインの上に落ちた。その後、同監督は報道陣に「誰かに殴られてこのへんが痛いんだよね。おれを恨んでるやつがいるのかな…」と、もちろんジョークを交えて右脇腹あたりをさすっていた。

 一夜明けても痛みは取れない。病院で診察してもらい、亀裂骨折が判明した。もっとも、そんな痛みを笑いに変えてしまうのも伝統校を率いる監督の懐の深さか。「うれしいから、まあいい。(3本折った北京五輪日本代表の)星野監督よりまし」と笑い飛ばした。

 真相は胴上げの際、同監督の右側にいた橋本到主将(3年)の“ヘディング”が原因のようで「上げようとしたら左側とタイミングが合わなくて。僕の頭の上に監督が落ちてきました」と明かした。この日、ナインは軽めの練習で調整。同主将は「思わぬところに落とし穴があるから、気を引き締めろ」と、監督からの伝言をナインに伝えた。災い転じて…。そう、甲子園に行けば今度は白星という「福」が待っているはずだ。