<高校野球福岡大会>◇9日◇2回戦

 福岡のプロ注目捕手、飯塚の金子聖史捕手(3年)が、八幡南戦で5回に推定125メートルの場外弾を放ち、9-0の7回コールド勝ちに貢献。注目の大砲捕手が、期待通りに1発回答した。

 飯塚の4番金子が初戦からエンジン全開だ。5回に早くもこの夏1号が飛び出した。先頭で打席に立った金子が低めのシンカーを左中間へ運んだ。打球は外野の芝生席を越え、道路で弾んで隣接する住宅の庭へ飛び込んだ。推定125メートルの特大弾でこの夏の幕を開けた。「打った瞬間、わかりました」と会心の1発。3回には左翼フェンス直撃の二塁打を放ち、パワーを見せつけた。

 昨秋まで本塁打は1ケタだったが冬の「秘密練習」で大変身した。まずは練習で1日1500スイング。「手が痛いき、もう振れんわ」とサラリとチームメートには言っておきながら、家でも部屋の畳がすり切れるほど素振りをこなした。5月は1カ月で12本を量産。「1試合で1~2本は打っていた」と振り返る。

 スタンドではソフトバンクと中日のスカウトが金子に注目した。「この夏はもっともっと本塁打を打ちたいです」。飯塚の大砲がチームを2年ぶりの甲子園へ引っ張る。【前田泰子】