先日、米国のスポーツ専門局「ESPN」が、系列雑誌と共同で、興味深いアンケートを実施し、その結果を発表しました。

 タイトルは、ズバリ「球界でベストの監督は?」。

 現役選手117人に加え、スカウト、フロントのスタッフ、コーチ、さらに報道関係者を対象に調査し、采配、選手とのコミュニケーション、投手起用、若手育成、独創性、統率力など、細かく項目別にランキング。単なる人気投票ではなく、トータル的にベストの監督を選ぼうというものでした。

 たとえば、現役選手に「どの監督のためにプレーしたいか(所属チームを除く)」と質問した結果は…。 1位 ジョー・マドン(カブス=35%)

 2位 ブルース・ボウチー(ジャイアンツ=18%)

 3位 テリー・フランコナ(インディアンス=7%)

 といった具合です。

 このほか、采配部門1位はバック・ショーウォルター(オリオールズ)、投手起用1位はボウチー、選手との関係1位はフランコナ、独創性1位はマドンなど、各監督の特徴や性格が、そのまま数字として残ったような感じがします。

 というわけで、最終結果は以下の通りでした。

 1位 ボウチー

 2位 ショーウォルター

 3位 フランコナ

 4位 マドン

 5位 クリント・ハードル(パイレーツ)

 ボウチーの場合、過去5年間でジャイアンツを3回世界一に導いたこともあり、当然の結果のようですが、その手腕だけでなく、人柄が含まれていることも間違いありません。その一方で、世界一経験のあるジラルディ(ヤンキース)、ファレル(レッドソックス)はいずれもランクインしていません。現在、ジャイアンツに青木、カブスに和田が所属しているだけでなく、メジャーの多くの監督が日本人選手やメディアとの接点を持っており、最終結果はなかなか説得力があるように感じます。

 もちろん、今回は匿名のアンケートで、こんな企画ができるのも米国ならではです。

 空前の大混戦となっているセ・リーグをはじめ、もし日本球界で同じような調査をすれば、一体、どんな結果が出るのでしょうか。

【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「メジャー徒然日記」)