24日終了時点でレイズに対し1ゲーム差でア・リーグ東地区2位につけ、激しい首位争いを続けているヤンキース。開幕前の大方の予想からすればかなり良い成績だが、こと投手陣に関しては安心していられない状況が続いている。

 まず21日には田中将大投手が5回10安打7失点と打ち込まれ今シーズン3敗目を喫した。1ゲームで3被本塁打は自己ワーストだ。ただ田中は「調子自体はそこまで悪くなかった。制球が悪くなる部分が多かったので、ちょっとしたことだとは思っているので、この流れを、次の登板までにしっかりと断ち切って調整して、またいい投球できるようにやっていきたい」と語っており、次の先発でこれまでの調子を取り戻すことに期待したい。

 ただヤンキースはこのゲームをきっかけに3連敗を喫することとなった。いずれも11点以上をとられる惨敗である。投手陣に対し不安を覚えるのも当然だろう。

 なかでも深刻ととられているのがCCサバシアの不調だ。昨年の負傷から復帰し、今シーズンは開幕から先発ローテーションに戻ったものの、ここまで15ゲームに先発したものの、3勝7敗という状況なのである。しかも防御率は4点台が2ゲームあるだけで、残りは5点以上、6.35を記録したゲームもあるという惨憺たる状況だ。ここまでの平均は5.65で、これはもちろんサバシアのキャリアにおいて最悪の数字となっている。

 23日のフィリーズ戦も勝ち負けはつかなかったが、フィリーズに対し6失点を喫し4回途中で降板した。この絶不調ぶりに対し、ニューヨークのメディアからは先発ローテーションからの外すべき、という声も当然のように出ている。これに対しジョー・ジラルデリ監督は先発の座を維持することを明らかにしたが、状況は微妙といわざるを得ない。

 一方、明るいニュースも出ている。3連敗直後の24日、イワン・ノバ投手が先発し、6回2/3を無失点に抑える好投を見せたのだ。チームもフィリーズに10対2で大勝している。ノバは昨年4月に肘の負傷で戦列を離れ、側副靱帯再建術、いわゆるトミー・ジョン手術を受けていた。この日がメジャー復帰の登板だったのである。見事な復帰を遂げたことで今後の活躍が期待されるところだ。

 まさに悲喜こもごもといった状況だが、ヤンキースが今後も首位争いを続けて行くには田中、さらにはサバシアが安定してくれることが必須と言えよう。