9月に入り、2015年MLBレギュラー・シーズンも残り1ヶ月を切った。プレーオフ争いとともに注目度が上がっているのが個人賞の行方だ。スポーツ情報サイト、ブリーチャー・リポートのコラムニスト、カール・バスチェック氏が現地2日、各賞受賞者の倍率、オッズを掲載している。今回特に注目度の高いサイヤング賞とMVPについて見てみたい。

 まずア・リーグのサイヤング賞について同氏は最有力候補としてアスレチックスのソニー・グレイ投手を挙げ、オッズは2倍以下の15対8とした。理由としては記事が書かれた時点で防御率が2・13、被安打率が2割1厘で共にア・リーグ・トップであることを挙げている。

 ただ2日時点ではグレイの被安打率は2割6厘で依然トップではあるものの、防御率はアストロズのダラス・カイケルが2・24でトップ。勝利数もグレイの12に対し、カイケルは16で大きく引き離している。

 同記事ではカイケルはブルージェイズのデイビッド・プライスとホワイトソックスのクリス・セールと共にオッズは4倍で2位タイとなっているが、もっと白熱した争いになりそうだ。

 一方、ナ・リーグのサイヤング賞ではドジャーズのザック・グレインキーが1・5倍の3対2という評価になっている。ここまでグレインキーは防御率1・59という驚異的な数字を残しており、最有力候補は確かだろう。

 同じドジャーズで奪三振トップのクレイトン・カーショーと17勝を挙げているカブスのジェイク・アリエタが3倍で2位タイにつけている。しかし現況ではグレインキーの優位は揺るぎそうにない。

 次にMVPだが、ア・リーグではブルージェイズのジョシュ・ドナルドソン3塁手がほぼ確実の1倍となっている。ドナルドソンはここまで打点が108でトップ、本塁打が36で2位タイと素晴らしい働きを見せている最有力と見なされるのも当然だ。

 ナ・リーグではやはり今シーズン大活躍を見せているナショナルズのブライス・ハーパー外野手が1・25倍、5対4でトップに選ばれている。打率3割3分3厘、出塁率4割6分1厘、長打率6割3分はいずれもリーグ・トップであり、本塁打31は2位タイだ。

 ただ同記事はナショナルズが現在ナ・リーグ東地区で首位メッツに6・5ゲーム離されており、プレーオフの可能性がほとんどなくなっていることが賞レースに影響する懸念の声があることも指摘している。

 どの選手が受賞の栄誉を得ることができるのか、最後まで気を抜くことはできない。