いったん沈静化したように見えたMLBの違法薬物使用問題が再燃することになるかもしれない。
5日、ヤンキースのアレックス・ロドリゲス内野手らに筋肉増強剤を提供したクリニックの元経営者アンソニー・ボッシュ容疑者が、男性ホルモンのテストステロンを違法に提供した疑いで逮捕されたのだ。マイアミ連邦裁判所に提出された書類によればボッシュ容疑者は2008年10月から2012年12月にかけてアナボリック・ステロイドであるテストステロンを提供した疑いがかけられている。同容疑者はこの件について認めているということだ。
また逮捕者は同容疑者を含め7人で、ロドリゲスのいとこユーリ・スカート容疑者も含まれているということである。
MLBはこの問題で昨年8月ロドリゲスら14選手に対し、今シーズン全てなど長期にわたる出場停止処分を科していた。ただ今回の逮捕に関する書類には容疑者がメジャーリーガーや高校生に薬物を提供していたと記されているが、選手名が記されていないということである。このため、提供を受けていたメジャーリーガーは実はもっと多いのではないか、という疑義が出ているのだ。
スポーツ専門局ESPNのT・J・クイン記者はツィッターで「2人の捜査関係者が匿名のMLB選手を調べていると話した。名前は明らかになるだろう。より多くの出場停止が出ると思われる」というツィートを投稿している。
このクリニックによる禁止薬物提供は大きなスキャンダルとなり、昨年の14選手に対する出場停止処分は、ロドリゲスが訴訟を起こすなどスポーツ界を越えて注目された。それがシーズンも進みようやく忘れられかけたところで、当局の逮捕により再び皆の意識を呼び起こした形である。しかもさらに処分を受ける選手が出てくるかもしれないというのだから、もうまったくどこまでいけばすむのかといった気分だ。
ただそれだけ禁止薬物使用問題は根が深いということでもある。容疑についてMLB選手だけでなく、高校生にも提供されていたという点も改めて考えさせられるところだ。今回の件が問題根絶への歩みとなってくれるといいのだが。




