マリナーズ岩隈久志投手(34)が雨に苦しみながらも6勝目を挙げた。敵地のホワイトソックス戦は6回途中を7安打2失点。自己最多タイの4四球を与えたが、ときに熱く、ときに冷静にピンチを克服した。

 4点リードの3回に試練は待っていた。2死三塁から2四球で満塁。3番アブレイユをカウント2-0から「しっかり腕を振った」3球目のスプリットで空振りに。「これで思い切って攻めなければいけないという気持ちになれた」。熱い思いを込めて中飛に打ち取った4球目は、この日最速92マイル(約148キロ)。無失点で切り抜けた。3連打で1失点した4回はなお2死満塁で、一塁線に転がった打球処理で「無理だと思ってファウルに見送りました」と冷静さを発揮。その後二ゴロに打ち取り、追加点を許さなかった。

 1イニングに7失点した前回に続き、「肘が上がりきる前に(上体を)突っ込んで投げている」とフォームのズレを自覚する。勝利を喜びながらも「狙ったところに投げられないのが悔しい」。残り32試合。納得のいく形でシーズンを終えたい。(シカゴ=佐藤直子通信員)