録画したテレビ画面で、イチローの遊ゴロの映像をストップウオッチで計測してみた。約3秒7だった。ちなみに昨季の最速はハミルトン(レッズ)がセーフティーバントで記録した3秒52だという。

 一塁までの到達スピードは4秒を切れば速いといわれる。今年2月、大リーグ公式サイトが昨季の約400人の選手のデータを調べ、一塁への全力疾走の平均タイムをランキングにした。20代の選手が上位を占める中、イチローは3秒98でアルテューベ(アストロズ)に並んでメジャー5位にランクインした。

 足の速さだけならイチローを上回る選手はたくさんいる。米ブログサイト「グラントランド」は昨年、イチローが二盗する際のトップスピードの平均値が時速約27キロ(トップ選手は時速30キロを超える)だとし「意外にも平凡な数字だった」と伝えた。バットを振った後の姿勢、1歩目の踏み出し、トップスピードへの加速…。イチローの内野安打には、数字に表れない多くの技術が詰まっている。