大先輩の快挙を自らの白星で祝った。ドジャース前田健太投手(28)が23日(日本時間24日)、広島黒田博樹投手(41)の日米通算200勝達成に刺激を受け、9勝目(7敗)を挙げた。敵地でのカージナルス戦に先発し5回2/3を5安打2失点。打席でも3回にスクイズで先制点をもぎ取った。今季20先発、110投球回に達し、この日だけで出来高125万ドル(約1億3100万円)を手にした。

 前田は大先輩の姿を目に焼き付けてマウンドに上がった。登板前に広島黒田が日米通算200勝を達成した23日阪神戦(マツダスタジアム)の試合映像を見ており、「自分もやらないといけないという気持ちになった」と同じ日付の登板で好投した。

 4回まではほぼ完璧で無失点。ファウルを打たせて優位なカウントをつくり、初対戦の相手に武器のスライダーが有効に決まった。ツーシームでは左打者にゴロを打たせて久々に好感触を得た。

 バットでは3回無死一、三塁から試みたスクイズが内野安打となり、自ら先制点をもぎとった。21日のナショナルズ戦で初めて代打(結果は空振り三振)での出場を経験しており、「心の中ではちょっと打ちたいなと思っていた」と笑った。後続の安打などで三塁まで進むと、3番ターナーの二塁打で楽々と生還した。

 6回に無死一、三塁から犠飛を打たれ失点。2死一、三塁とされ、最後のアウトをとれずに降板し「すっきりはしていない。もうちょっと粘りたかった」と悔しがった。ロバーツ監督は、試合開始時に約34度だった暑さを交代理由に挙げ「自分でもこたえたから、選手はそれ以上にきつかったと思う」と話した。

 内容的には不満でも、メジャー1年目から2ケタ勝利に王手をかけた。また働いた分だけ、報酬もアップする。この試合で今季出来高は計290万ドル(約3億500万円)に達した。基本年俸300万ドルとほぼ同額のインセンティブを手にすることが確定。残す先発は12試合ほど。出来高満額1015万ドル(約10億6600万円)を得るための32先発、200イニング到達も視界にとらえた。