マーリンズのイチロー外野手(42)がメッツ戦に「6番右翼」で出場し、4回に今季10盗塁目の二盗を決めた。メジャー記録の通算1406盗塁のリッキー・ヘンダーソンに日米通算で並ぶ23年連続2ケタ盗塁をマーク。42歳以上の2ケタ盗塁は、メジャー4人目だった。また、4打数2安打で、歴代27位のウエード・ボッグスを上回り、歴代単独27位の通算3011安打とした。

 2度のけん制球を受け警戒された中での、約1カ月ぶりの盗塁成功だった。4回2死から左前打で出塁し、次打者スクラッグスの2-2からの6球目で二塁へ走り悠々セーフ。これが今季10盗塁目でメジャー1年目の01年から16年連続、日米通算では23年連続の2ケタ盗塁達成だった。メジャーで23年連続2ケタ盗塁を記録しているのは、歴代盗塁王のリッキー・ヘンダーソンのみという偉大な記録。42歳以上で2ケタ盗塁を記録したのはそのヘンダーソンと、ホーナス・ワグナー(いずれも当時42歳)、オマー・ビスケル(当時43歳)に続き4人目の快挙となり、イチローは「へー、そんなに少ないとは思わなかったですよ」と驚いた。

 通算安打では、4回の安打で3010安打となり、05年に殿堂入りしたウエード・ボッグスと並び、8回2死からの右中間二塁打で抜いて単独27位に浮上。ボッグスがレイズのコーチだった01年に「バットをもらいました」と交流があり「練習では、僕みたいにポンポンとホームランを打てると、聞いたことがあります。そういう意味では、似ているタイプという認識が少しあります」と話した。

 記録を重ねながら、ワイルドカード争いのライバル・メ軍を相手に貴重な働きもした。8回の二塁打はぎりぎりのタイミングだったが「行かないという選択肢はなかった」と二塁まで走り、次打者の二塁打で先制のホームイン。結局、延長10回にサヨナラ負けを喫したが、マッティングリー監督は「イチローからの2者連続二塁打は大きな安打だった」と振り返り「我々には暗雲が垂れ込めている状況だが、次の3試合で一変することもある」と前向きだった。チームの苦戦が続く中、最年長野手は躍動した。【水次祥子】