悲しみに暮れるマーリンズのナインが、涙ながらにグラウンドへ戻った。

 エース右腕のホセ・フェルナンデス投手(享年24)が25日未明、事故死した悲報を受け、前日のブレーブス戦は中止となった。再開されたこの日は、監督、コーチ、選手全員が、同投手の背番号で、永久欠番となることが内定した「16」を付けてプレーした。

 試合前には、追悼セレモニーが行われ、両軍全員がベンチ前に整列して黙とうをささげた。その後、マーリンズナインは、「16」と刻まれたマウンド周辺にひざまずき、思い思いにメッセージなどを書き記した。最後は、円陣を組み、試合に臨んだ。

 初回、スタントン、ゴードン、イエリチらは涙を流しながら守備位置に向かった。

 その裏、今季1号となる先頭打者本塁打を放ったゴードンは、ホームイン後、天を指さすと、泣きじゃくりながらベンチへ戻った。

 スタメンから外れたイチロー外野手(42)は、7-2と5点リードした7回裏2死一塁から代打で出場。左前打を放った。

 この一打で、メジャー通算3029本目。

 守備には就かなかった。

 打率は、2割9分1厘。

 試合は、マーリンズが快勝。

 終了後は、再び全員でマウンドに集まり、黙とうをささげ、帽子を置いて別れを告げた。

 試合後のイチローは「今日1日が終わったら、やっぱ(フェルンデスが)いないんだな、という感じですね。本当なんだって…」と、これまで実感がわかなかった気持ちを明かした。

 その一方で、「今日は特別な日でしたが、きっと普通にいつも通りやることが、彼が望むことだろうと僕はそう信じていたので…。僕ができることは今日も同じようにやったという1日でした」と、しみじみ話した。