スター軍団にお家騒動が勃発した。17年3月に開催される第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、優勝候補の一角とされるベネズエラ代表のオマー・ビスケル監督(49)が電撃解任。後任監督まで決定したが、これにエース右腕のフェリックス・ヘルナンデス投手(30=マリナーズ)ら主力選手が激怒。1日、大会不参加を掲げるボイコット声明を発表する事態に発展した。

 来年3月のWBCに出場予定の強豪ベネズエラ代表に内乱が起こり、大騒動に発展した。1日付の同国と米国の複数のメディアによると、ビスケル監督が突如解任され、それに憤慨した複数の主力選手が代表を離脱すると宣言した。同監督がカルロス・ギーエンGM(41)と対立し、頭突きをくらわせるなどしたことが原因とみられている。

 しかしビスケル監督は、ゴールドグラブ賞を11度受賞するなど将来の殿堂入りがほぼ確実で、同GMよりはるかに格上。解任を知ったファンと選手が激怒し、エースのヘルナンデスが「監督がビスケルでなければ、僕らはプレーしない」と表明した。大砲ミゲル・カブレラ内野手(33=タイガース)や、マーリンズのマーティン・プラード内野手(33)らも賛同。写真投稿SNSインスタグラムを使い、代表主力11人の連名でボイコットの意思を示した。

 ベネズエラ野球連盟はすでにエディ・ペレス氏(48)を代わりの監督として発表しており、ザーパ代表は「ボイコットはプロ精神に欠ける」と選手を批判。09年WBCで3位に食い込み、次回大会は優勝候補といわれるスター軍団が、内部で対立している。

 ◆ボイコットメンバー ロンドン(カブス)は通算77セーブの守護神、ヘルナンデス(マリナーズ)は10年サイ・ヤング賞を獲得したメジャー屈指のエース。写真には写っていないがカブレラ(タイガース)は本塁打と打点王を各2度、首位打者4度の屈指の打者、マルティネス(同)は通算打率3割を超え球宴5度選出、ペレス(ロイヤルズ)は4年連続球宴選出、15年ワールドシリーズMVPのメジャー屈指の捕手だ。