米国版の二刀流、まさかの三刀流だって見てみたい!! 日本ハムの栗山英樹監督(56)が11日、米大リーグのエンゼルス入りが決まった大谷翔平投手(23)に「違う形の二刀流、三刀流とか。そういう発想を見てみたい」と、伝説の第2章を期待した。千葉・鎌ケ谷の2軍施設で大谷の移籍先決定後、初めて取材に応じ、新天地へ羽ばたく愛弟子へエールを送った。大谷は今日12日早朝に帰国する予定だ。

 大谷のエンゼルス入団会見から一夜明けても、投打二刀流を育てた日本ハム栗山監督の興奮は収まらなかった。「本人から連絡があって話しましたけど(テレビで見た表情は)すっきりしていた。それが、すごく、うれしかった」。日本時間の9日早朝に流れた「大谷、移籍先決定」のビッグニュース。入団から5年。常識を破る才能と苦楽をともにした日々が、走馬灯のように脳裏をよぎった。

 スポーツキャスターとして、いくつものメジャーチームを取材したが「とても、いいチーム」とエンゼルスには好印象だ。赤いユニホーム姿に「翔平はエンジェルだったんだなと思いました」と目尻を下げた。「野球って面白いんだっていうのを、みんなに伝える天使だったんだよ」。振り返れば大谷の入団1年目。二刀流に対する周囲の批判を真正面から受け止め、壁となった“二刀流育ての親”は、ユーモアたっぷりに愛弟子の勇姿をたたえた。

 これからは「一ファンとして見ていく」という。「個人的には違う形の二刀流があると思う。アメリカだし、こっちが『おっ』と思うようなものが見たい。三刀流とかね」と期待を込める。「アメリカのやわらかい芝ならショートも十分に守れる」と投打+遊撃のプランに「80勝を優勝ラインとして、そのうち70勝の半分、35試合で他の守備位置からセットアッパーで出ていくとか」。実際に、入団1年目には天然芝の球場に限って投打+外野手の“リアル三刀流”を実現している。「俺にあと5年くれたらなあ…」と、アイデアは尽きなかった。

 天使が紡ぐ、伝説の第2章。「翔平はキラキラしていないとダメ。宿題があった方が輝ける。そうすれば、野球の神様は応援してくれる」。最高のストーリーを、誰よりも期待している。【中島宙恵】