レッドソックス松坂大輔投手(30)が右肘靱帯(じんたい)再建手術(トミー・ジョン手術)を受けることが決まった。

 損傷した肘の靱帯を切除し、他の部位から正常な腱(けん)を移植する手術。1970年代にフランク・ジョーブ博士によって考案され、当時ドジャースの左腕トミー・ジョン投手が74年に初めて受けたことからこう呼ばれる。124勝していた同投手は手術後に奇跡のカムバックを果たし、46歳で引退するまでさらに164勝を積み上げた。

 過去に同じ手術を受けた日本人投手は村田兆治(元ロッテ)荒木大輔(元ヤクルト)桑田真澄(元巨人)らがいる。<村田兆治>

 ロッテのエースだった82年に右肘を故障。翌83年8月に渡米しロサンゼルスのセンチネラ病院でジョーブ博士の執刀で右肘腱(けん)移植手術を受けた。84年8月に818日ぶりに復帰登板し、85年4月14日の西武戦で3年ぶりの勝利。この年は主に日曜日に登板して11連勝するなど17勝5敗。「サンデー兆治」と呼ばれた。<荒木大輔>

 ヤクルト時代の88年8月に渡米し右肘遊離軟骨除去、腱移植手術、同11月にも右肘、翌89年9月にも右肘を手術。リハビリ中の腰痛もあり、復活は丸4年が経過した92年秋。10月3日の中日戦で1611日ぶりの白星を挙げリーグ優勝に貢献した。93年は8勝して日本シリーズでも勝った。<桑田真澄>

 巨人入団10年目の95年5月24日の阪神戦で、ダイビングキャッチを試み右肘を強打。その後、靱帯が断裂していることが判明し10月に渡米して手術を受けた。復活勝利は97年。4月6日のヤクルト戦に先発し6回2安打1失点に抑え、683日ぶりの白星をつかんだ。術後通算64勝。