<ジャイアンツ8-6タイガース>◇16日(日本時間17日)◇AT&Tパーク

 「右キラー」が強力打線を封じ、逆転勝利を呼んだ。ジャイアンツ藪恵壹投手(39)が16日、タイガース戦で8回、2番からの上位打線を10球で3者凡退に料理。その裏、大量5点を奪って逆転し、藪が3勝目を手にした。

 気温10度。寒さを吹き飛ばす半袖姿で上がった藪は4球で2死を取り、昨季の首位打者4番オルドネスを迎えた。「センターを狙っている様子で、緩い球の方が合わされる気がした」と速球主体の攻めを選択。最後は2-3から93マイル(約150キロ)の内角直球で中飛に詰まらせた。

 チームは3連敗中。3度リードを許し、7回にはボウチー監督が退場となる敗色ムードの中、藪が完全救援で逆転劇につなげた。現在は小差、もしくは勝ちゲームのセットアッパーを任され、5月以降は防御率0・79。特に右打者には絶対の自信を誇り、被打率1割5分7厘はリーグ救援部門で4位。「だから左には打たれたくない。そこに神経を使いました」とこの日は、左のギーエンに外角低めにツーシームを配し、しっかり右飛に仕留めた。

 「僕の勝ちは別にいい。連敗が止まったのが大きい。ここからア・リーグとの戦いが続くから」。ジ軍は交流戦7戦目にして初勝利。藪のロッカーには、オリリア一塁手からウイニングボールが届いた。(サンフランシスコ=中島正好)