<マーリンズ4-6レイズ>◇24日(日本時間25日)◇ドルフィンスタジアム

 災い転じて福となした?

 レイズ岩村明憲内野手(29)が24日、マーリンズ戦で5号2ランなど3安打2打点の大当たり。チーム全得点機に絡み、積み上げた本塁打は区切りの日米通算200号となった。この日は出場停止処分の件で異議申し立ての聴聞会が予定されていたが、大リーグ関係者の都合がつかずキャンセル。即日裁定で出場できない可能性もあったが、メモリアル弾で逆転勝利を演出した。またマリナーズ城島が3号2ラン、カブス福留も6号ソロで、日本人メジャーが本塁打を競演した。

 左方向に強く流し打てる、岩村らしい一撃だった。1点を先制されて迎えた3回1死一塁。左腕オルセンの外角低め直球をたたくと、高く上がった打球は広いドルフィンスタジアムの左翼フェンスを越えた。好機で飛び出した日米通算200号に、「一時は逆転となる本塁打を打てたことが大きい。こっちに来てそんなに量を打てないのは分かっているから、量より質という意味で、いいところで打てた」と振り返った。

 メジャー通算12号のうち、6本が中堅から左方向。今季はレッドソックス本拠地の名物グリーンモンスターも2度、柵越えした。1番として出塁率を重視しながら「強い打球を打った結果が本塁打になればいい」と日本人離れした強いリストが、1発の魅力も引き出している。再びリードされた8回は先頭で右前打。この回再逆転の突破口を開くと、9回も左越え二塁打でダメ押しの2点をチャンスメークした。

 5日レッドソックス戦での大乱闘に加担したことに端を発し、3試合の出場停止処分を受けた。だが当事者の中では「自分の中では終わったこと。早く忘れたい」という岩村だけ、まだ処分保留のままだ。二遊間を組むバートレットが夫人の出産を控えるチーム事情と、処分軽減の可能性が出てきたため異議申し立てに踏み切った。その聴聞会が25日正午に変更され、岩村は幸いにもこの日の試合に出場できた。また申し立てによる処分保留で、20日からのアストロズ3連戦では日本からの観戦ツアー客にプレーを見せることもできた。岩村は「自分が積み重ねてきた数字だし、感慨はある」と逆転勝利とともに、200号を喜んだ。