【ボストン(米マサチューセッツ州)25日(日本時間26日)=千葉修宏】28日に打撃練習を再開する予定のヤンキース松井秀喜外野手(34)が、その後、数日以内に再び手術勧告を受ける可能性が出てきた。この日、ヤ軍がパイレーツとトレード合意し、強打のエグゼビア・ネイディ外野手(29)を獲得することになった。松井の穴が埋まる公算大で、キャッシュマンGMは、松井のリハビリ長期化を防ぎ、早めの手術で09年に備えさせたい意向だ。

 トレードがヤンキース松井の手術を早める可能性が出てきた。この日のレッドソックス戦中、複数の米メディアが、ヤ軍とパイレーツの交換トレード合意を報じた。

 ヤ軍はオーレンドルフ、タバタら若手有望株4人を放出し、強打のネイディ外野手、中継ぎ左腕ダマソ・マルテ投手(33)を獲得する。健康診断が済んでおらず、公式発表はまだ。キャッシュマンGMはこの日の試合後、「現時点で発表することは何もないよ」と口を閉ざした。

 だがGMの腹づもりは決まっている。今季、打率3割3分、13本、57打点と、打撃3部門すべてで松井を上回り、しかも希望だった右打者のネイディの獲得で、外野の穴は埋まると判断。松井のひざの状態によっては、再び早期の手術勧告を行う。

 チームが後半戦7連勝と絶好調な上、今後はネイディを左翼で起用し、左肩を痛めていたデーモンはDHに固定する。松井が戻るポジションはなく、リハビリを長期化させ、09年シーズンに影響を及ぼすのはチームにとって得策ではない。

 キャッシュマンGMは「彼の今後についてはすぐに判断できるだろう」と、早ければ打撃練習を始める28日からの1週間で、リハビリ継続か、手術かを見極めるつもり。「状態が良ければいいが、腫れが戻れば手術だ」と断言した。

 松井のここ数年のコンディション悪化を危惧(きぐ)もしている。「もし彼が健康なら、世界最高の選手の1人だよ。ただ昨年は右ひざ、今年は左ひざ痛に苦しんでいる。それはコントロールできないことだがね」。契約最終年の09年に万全で臨んで欲しいという見解を示した。