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レイズ歓喜初Vも岩村ホテル直帰で祝えず

3回表レイズ1死一塁、右前打を放つ岩村(撮影・為田聡史)
3回表レイズ1死一塁、右前打を放つ岩村(撮影・為田聡史)

 【デトロイト(米ミシガン州)26日(日本時間27日)=高宮憲治】レイズがア・リーグ東地区初優勝を果たした。優勝マジック1で臨んだタイガース戦は4-6で敗れたものの、その後レッドソックスがヤンキースに大敗したため、試合終了から2時間40分後に優勝が決定した。外出していた大半の選手は球場に戻ってシャンパンファイトを敢行したが、ホテルに帰っていた岩村明憲内野手(29)ら数人は参加できず、歴史的偉業を喜び合えないハプニングもあった。

 歓喜の瞬間に岩村の姿がなかった。日付が変わった午前0時53分、2位レッドソックスの敗戦とともに、球場ロッカー室で始まったレイズのシャンパンファイト。岩村を含む一部の選手はホテルに戻ったままで、喜びを爆発させる舞台に参加できなかった。敵地球場で敗戦後、しかも長時間待機の末に決定という事情では、初優勝球団の混乱も仕方なかった。

 午後10時13分に試合が終了。約1時間後にチームはいったん解散した。選手移動用のバスは2台。デトロイト市内のカジノ行きと、宿泊ホテル行きに分乗し球場を後にした。そのうちのカジノ組が、優勝が決まりそうとみるや再び球場に戻った。岩村はホテルに直帰したことが「裏目」に出た格好だ。

 レッドソックスは序盤から大量リードされていたため、岩村は優勝を想定した会見を行っていた。「勝って決めたかったが、1年間頑張った結果。今までの野球人生で一番の喜びかもしれない」。ヤクルト時代の01年には日本一になっているが、自らがリーダーとして引っ張ってきたチームの栄冠には、感激もひとしおだった。

 創設11年目にして、初優勝。過去の最高順位が4位だから、とても「悲願」の形容詞はつけられない。ヤンキースとレッドソックスというメジャーを代表する強豪のいる地区で、優勝は近づいたことすらない夢だった。この2強以外が優勝するのは97年オリオールズ以来。岩村は「プレーオフより(厳しい)という声が出るかもしれない」と、ただの地区制覇ではないことを強調した。

 今年のポイントとして挙げたのは、ヤンキースとのオープン戦だった。自らが危険なスライディングを受けたことが原因で、乱闘騒ぎとなった試合だ。「うちを相手にヤンキースが必死になっていた。本気にさせた実感はあった」。万年最下位のチームから変ぼうしたことを、常勝ヤ軍に春先から認めさせていた。

 記念すべきこの日、岩村はポスティングで入団が決まった2年前を思い出していた。過去の成績を調べるまで、これほど弱い球団とは知らなかった。「それがよかったのかもしれない。白紙の答案用紙なら、何か書けるでしょう」。たった2シーズンで満点の解答を導き出した。

 [2008年9月28日8時55分 紙面から]


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