元横浜監督の山下大輔氏(56=日刊スポーツ評論家)がドジャースからマイナーの守備コーチへの就任要請を受けたことが18日、明らかになった。山下氏は就任に前向きな姿勢を見せている。受諾すれば来季はシーズンを通して米国に滞在し、主にルーキーら若手選手に守備や走塁の基本を指導する。日本の球団を通じ、提携先の米球団へのコーチ留学は増えているが、個人として要請されての就任は極めて珍しい。

 ド軍は、今季就任したトーリ監督が「基本ができていない大リーガーも多い」という感想を持ったことから改善策を検討してきた。その一環で、基本を重要視する日本野球の長所を取り入れる案が持ち上がり、日本人で守備を教えられる人物を探していた。山下氏は現役時代に8年連続ゴールデングラブ賞を獲得するなど、特に守備には定評があり、日本国内では監督、コーチを含めて指導者としての経験もある。また、かねて山下氏が米国でのコーチ業に興味を持っているという情報がド軍に入り、交渉が始まった。「山下氏ほど実績のある方に来ていただければ、こんなに光栄なことはない。来季だけでなく、長い目でド軍に力を貸していただきたい」(ド軍関係者)。

 正式契約にはいたっていないが、山下氏は前向きに検討中。「野球発祥の地で、アメリカンドリームを目指す若手選手の手伝いができるというのは非常に貴重な経験だと思います。私自身にとっても野球を勉強し直す機会で、今後の財産になる。ぜひ、行ってみたい」。実現すれば、現役の日本人メジャーとは違う形で話題を集めそうだ。