【ラスベガス(米ネバダ州)9日(日本時間10日)=四竈衛、大塚仁】FAでメジャー入りを目指す川上憲伸投手(33)の代理人を務めるダン・エバンス氏(48)が、11球団と接触したことを明かした。10日にもほぼ同数の球団と折衝する予定で、近日中にも全球団の条件や感触がわかる。積極交渉で年内にも移籍先が決定することが濃厚になってきた。

 ウインター・ミーティングの2日目。エバンス氏の口調は明快だった。「(全体の)3分の1の球団と話をした。これまではいいスタートを切れたと思う」。具体的な球団名こそ明かさなかったが、「メジャーリーガー川上誕生」へ向けて、確かな手応えがあったことを認めた。

 01年オフから3季にわたってドジャースのGMを務めたエバンス氏にとって、入団交渉はお手のものだった。各球団の戦力事情、資金力は他の代理人よりも十二分に把握しており、相手の本気度は手に取るように分かる。その同氏が「まだ情報を集めている段階だが、とても前向きな感触を得ることができた」と言うだけに、説得力十分だった。

 交渉期限について「急ぐ必要はない。1月だってオフシーズン」と、越年覚悟の姿勢こそ見せているが、時期が遅れて「市場価値」を低下させるつもりもない。11日の最終日までには、各球団との第1次折衝を終える予定。代理人1年目とはいえ、エバンス氏の手腕で、クリスマス前には川上の移籍先が決まりそうだ。