ナ・リーグ中地区の名門カージナルスが日本人投手の獲得に動くことが17日、分かった。先発要員で巨人からFAの上原浩治(33)と中日からFAの川上憲伸(33)、抑え候補でドジャースからFAの斎藤隆(38)の3投手をリストアップ。モゼリアクGMも地元紙の取材に「球団として興味があり、必要としている」と、具体的オファーの検討に入ったことを認めた。

 ナ・リーグ最多10度のワールドシリーズ制覇に輝くカージナルスが、日本人FA3投手の獲得に本腰を入れる。カ軍の地元紙セントルイス・ポスト・ディスパッチ電子版は17日、獲得リストに上原、川上、斎藤が挙がっていると報じた。モゼアニクGMもウインターミーティングで上原、川上の両代理人と接触したことを認めた。

 2年前の世界一王者も、ここ2年はプレーオフ進出を逃す。補強が急務な投手陣は現在、絶対的エースとクローザーが不在。05年サイ・ヤング賞のカーペンターが右肩手術でこの2年0勝と復活のメドが立たず、在籍7年で平均31セーブを挙げたイズリンハウゼンはFA退団。新クローザーとしてブライアン・フェンテス(33=ロッキーズFA)と交渉を進めるが、同GMは「(相手側の)動きが遅い。少しイライラしている」と撤退をほのめかす。

 そして急浮上したのが、4日前にFAになったばかりの斎藤だった。メジャー3年で通算12勝7敗81セーブ、防御率1・95と実績は文句ない。またオリオールズが獲得に動いている上原、レッドソックス移籍が本命視される川上への調査も完了し、特に川上に関してはダンカン投手コーチがお気に入り。ビデオを見てカットボールと制球力を絶賛したという。フェンテスに提示した2年で約1700万ドル(約15億3000万円)をそっくり、日本人獲得の資金に転用する動きをみせている。

 カ軍には07年まで田口(フィリーズFA)が6年在籍したが、日本人投手がプレーしたことはない。アジア市場も未開拓だったが、就任1年目の同GMが進出に着手。西海岸地区のスカウトを担当するスレイターGM特別補佐を派遣して、調査を行ってきた。同GMは具体名こそ避けたが、「(アジア地区から)人材が欲しい」と日本人投手への興味を隠さなかった。