3月の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表候補のマリナーズ城島健司捕手(32)が、2月にいったんマリナーズのアリゾナキャンプ地に入り、とんぼ返りで同月15日集合の宮崎での代表合宿に参加することが21日、わかった。マリナーズと日本代表両チームの正捕手としての自覚の表れだ。故郷の長崎・佐世保で自主トレを続けている城島は、日本について「守備力こそが攻撃力だ」と戦いのポイントを挙げた。

 城島は2月10日前後に、いったんマリナーズキャンプ地のアリゾナ州ピオリアに入り、2、3日滞在した上で日本にとんぼ返りして2月15日宮崎集合の代表合宿に参加する予定だ。マリナーズは今季ドン・ワカマツ新監督(45)となった。バッテリーキャンプの始まる段階で、新監督、投手陣と顔合わせし、コミュニケーションを図った上で、日本代表でもガッチリ正捕手をつかむ。例えハードスケジュールでも2つのチームの「正捕手」としての責任を果たすつもりだ。

 城島の頭には、WBCでの日本代表の戦い方がすでに青写真になっている。「日本の緻密(ちみつ)な守備力こそが攻撃力」とポイントに挙げている。

 「確かにパワーでは負けるかもしれない。でも、例えるなら、100メートル走では世界のトップに立てなくても、ほかの選手には塁間の速さで勝負ができるのが野球だと思う。つまり、どんな状況でも基礎ができている日本は、特に安定した守備力が世界相手のパワーに対抗できる攻撃力になると思う」と話した。

 20日には、WBCに参加する16カ国の1次登録メンバーが発表されたばかり。ドミニカ共和国などメジャーのスーパースターがずらりと並ぶ。もちろん、そのすごさは十分に認めた上で、それでも城島には自信がうかがえた。

 「僕は、相手に研究されても、毎年3割、30本打つ選手たちをマスク越しに見て、どうやって抑えようか、と毎日考えていますからね」と話した。またシーズン中にはレッドソックスの主砲オルティス(ドミニカ共和国)などラテン系でチームの核になる打者には「第1打席を抑えること」がリズムを狂わす秘策と口にするなど、メジャー3年間の経験をフルに引き出してスーパースターたちを抑え込むつもりだ。日本の投手陣に対しては「勝負どころで納得する球を投げさせるのが僕の仕事。それには本番までに投手の性格まで把握するよう努めないと。一番いいのはマージャンなんだけど」と笑った。

 第1回のWBCは、マリナーズに移籍したばかりで参加していないが、第2回大会は城島の「捕手」としての能力もサムライジャパンの大きな新戦力となる。(木崎英夫通信員)