マイナー契約でブルージェイズ入りした高橋建投手(39=前広島)が13日、「ホットライン」を携えて渡米した。契約合意が2日で、キャンプ地入りが始動3日前という慌ただしさ。必要な物だけトランク2個に詰め込み、新品のパソコン1台もしのばせた。

 六十ならぬ四十の手習い。「絶対に使うことはないと思っていた」と不惑目前で初めて触り、メール送信のやり方を知った。長女が高校受験を控えており、シーズンは単身生活。「まだ初心者で絵文字は打てないけど」と家族をつなぐ必需品に照れた。

 「この時期にユニホームを着ていないのは初めて」と不安はあるが「左で、(先発と救援の)両方できるのは可能性が広がる」と挑戦者の立場に気負いはない。晴れてメジャーの舞台に立てば、パイレーツ桑田の持つ39歳70日の高齢デビュー記録を塗り替える。「励みになります。数字で残れば記念の思い出になる。イチロー選手にも投げてみたい」と夢実現へのスタートを切った。【中島正好】