<レンジャーズ2-7マリナーズ>◇1日(日本時間2日)◇レンジャーズボールパーク

 【アーリントン(米テキサス州)=佐藤直子通信員】マリナーズ・イチロー外野手(35)が、レンジャーズ戦でヒットを1本損した。1回、1打席目に投手のグラブをはじき、二塁手方向に転がる打球を放って出塁した。記録員の発表は「内野安打」だったが、9回にこの日3本目となるはずの内野安打を決めた直後、記録員が第1打席の結果を突然「投手失策」に変更。7月28日以来の3安打となるはずが、2安打になってしまった。それでも49度目のマルチヒット。8月も快調に滑りだした。

 イチローが9回、投手への内野安打で出塁した直後だった。本来なら3本目の安打だった。ところが公式記録員が突然、1回の内野安打を投手の「失策」と訂正。ヒットが1本減ってしまった。記録が覆ったことに対し、イチローは「(記録変更の)タイミングが悪いね。それ以上は言わないですけど」とさすがに言葉少なだった。第4、6打席に内野安打で出塁し、今季49度目のマルチ安打をマーク。9年連続の200安打まであと47本とし、打率3割6分3厘でア・リーグトップをキープした。

 イチローが攻守で試合のテンポをつくった。1回の投ゴロ失で出ると、盗塁に成功。その後、グリフィーの中越え本塁打で先制ホームを踏んだ。6回には遊撃内野安打で出塁し、ロペスの二塁打で一塁から一気に生還した。

 守備では1回1死二、三塁の場面で、浅めの右飛でタッチアップした三塁走者ビスケルを本塁で刺した。送球は高めに浮いたが、捕手ジョンソンがジャンプして捕球し間一髪タッチアウト。イチローは「(送球が)高いと思った。(でも)アウトなら別にいいよ」と涼しい顔だったが、ワカマツ監督は「あの返球はさすがだ。今日は守備が試合を救った」と絶賛した。

 チームはトレードが一段落し、新メンバーで臨んだ初戦を白星で飾った。01年以来のプレーオフ進出に向け、ムードは上がってきた。