【ニューヨーク17日(日本時間18日)=四竈衛】ヤクルトからFAとなり、メジャー移籍を目指していた五十嵐亮太投手(30)が、メッツと正式契約を交わした。メ軍が発表したものでAP通信などによると2年総額300万ドル(約2億7000万円)。メ軍首脳陣は、セットアッパーとして勝ち試合の8回を任せる方針で、メ軍では11人目となる日本人メジャーが誕生した。

 相思相愛の入団だった。五十嵐にとって、メッツは千葉・敬愛学園高時代から印象に残る球団だった。当時から熱心に視察していたメ軍極東担当スカウトの大慈弥氏のことは知っており、十数年の歳月を経ても興味を示された熱意に、すんなりと決断した。メ軍首脳の都合もあり、記者会見は行われなかったが、球団を通して「メッツからオファーを受けた時、迷うことなく、ここが自分の行きたいところ、米国での野球をスタートする球団だと思った」とコメント。13日に米国入りした時点で、気持ちはほぼ固まっていた。

 15日に自主トレ先のアリゾナから急きょニューヨーク入りした五十嵐は、16日に身体検査を行い、本拠地シティフィールドを訪れ、グラウンドやブルペンなどを視察した。クラブハウスでは、主砲ライトと顔を合わせ、握手を交わした。「(抑えの)ロドリゲスと一緒にブルペンで投げるのが楽しみです」。対面後は、自主トレを行うアリゾナへとんぼ返りした。

 昨季70勝92敗と低迷したメ軍にとって、今オフまでにワグナー、プッツが抜けた救援陣の整備は、最優先事項の1つだった。五十嵐の契約は1年目が125万ドル(約1億1250万円)、2年目が175万ドル(約1億5750万円)の計300万ドル。これにインセンティブが50万ドル(約4500万円)付属する好内容を提示したのも、日本での実績を高く評価したからだった。ミナヤGMは「彼にはパワフルな肩と、すばらしいフォークがある」と期待。主に勝ち試合で、抑えのロドリゲスへつなぐ8回を任せる方針だ。

 今後、五十嵐は来年1月初旬までアリゾナで自主トレを継続。その間、ワーゼン投手コーチが直接視察に訪れることも検討されており、具体的な調整法などを話し合う予定だ。「ニューヨークでプレーするのを楽しみにしています」。西海岸に渡ったエ軍松井と入れ替わって、快速右腕五十嵐がニューヨークへ乗り込むことになった。