メッツ五十嵐亮太投手(30=ヤクルト)が「脱剛腕」を宣言した。雪による悪天候で飛行機が遅延となっていたが、11日に1日遅れで渡米し、ニューヨーク入りした。「めっちゃ寒いです。北海道出身なんで寒いとテンション上がりますよ。機内の窓から冬景色を見て気が引き締まりました」と両手をこすりながら話した。

 快適なファーストクラスの機中で思い描いていたのは「真っすぐだけのアピールはしない。トータルバランスで見てもらいたい」という総合力の底上げだった。日本人最速タイ158キロを記録した速球派だが、そこはつわものぞろいの大リーグ。「正直ストレートだけでは厳しい。(スピード狙いの球速を)1発出してもしょうがない」。真っ向勝負の理想論ではなく、歩むのは「すごいバッターなら変化球から入る」という現実路線だった。

 直球とフォークだけでなく、緩急プラス、高低の変化が加わるカーブの感触が良く「割合は多くなる」。調整は万全にと、キャンプイン6日前の14日(日本時間15日)にフロリダ州ポートセントルーシー入り。「K・ロッド(守護神ロドリゲスの愛称)の前を任されるよう、キャンプからどんどんアピールします」と勇ましく新天地に降り立った。【中島正好】