マリナーズ・イチロー外野手(37)に9日、4個目となる「10年連続」のタイトルが加わった。守備のベストナインに相当するゴールドグラブ(GG)賞のア・リーグ受賞者が発表され、イチローが大リーグ1年目の01年から10年連続で選ばれた。外野手の2ケタ受賞は史上6人目で、かつ10年連続となると同5人目の快挙。200安打、打率3割、球宴選出に続く10年連続の大台に乗せた。

 名手の印象は覆らない。GG賞は同一リーグの監督、コーチが、自軍以外の選手に投票する方式で行われる。イチローは今季162試合すべてに先発出場し、指名打者の2試合を除く160試合で右翼に就いた。4失策は自身ワースト2位と多く、7補殺も昨季の5個に次ぐ低い数字だった。

 それでも塀際の強さは健在で、超美技のビッグプレーを連発。5月2日のレンジャーズ戦、7月22日のレッドソックス戦、同26日のホワイトソックス戦と3度も本塁打性の打球を好捕した。野球統計学や映像分析などの専門家が選出する「フィールディング・バイブル賞」でも最優秀右翼手に輝くなど、客観的にもイチローの守備力は高く評価されている。

 10回以上のGG受賞は全ポジションを通じても史上16人目。昨季までイチローと同じく9年連続受賞中だったハンター(エンゼルス)が落選したように、30代後半で俊足と強肩を維持するのは簡単ではない。外野手で最多受賞のメイズは37歳まで、クレメンテは不慮の事故で亡くなる38歳まで受賞を続けた。日本に一時帰国しているイチローは、「謹んでお受けいたします。でも、おなかいっぱいではありません。まだ、おかわりしたいです」との談話を寄せ、偉大な先人超えを誓った。