ポスティングシステム(入札制度)によるメジャー移籍が容認されたロッテ西岡剛内野手(26)が破格の金額で落札される可能性が出てきた。16日、ロッテ瀬戸山隆三球団社長(57)が千葉マリンで会見し、「気持ち良く送り出してあげたい」と容認を発表。球団では17日にも日本野球機構(NPB)を通じて入札申請の手続きを行う予定。1500万~2000万ドル(約12億~16億円)と予想する米メディアもあり、大リーグ移籍はすんなりと決まりそうだ。

 ロッテが正式にポスティング容認の会見を開く前から、うわさは既に米国に飛び火していた。FOXスポーツの名物リポーター、ケン・ローゼンタール氏は、自らのツイッターで「ロッテが間もなく西岡のポスティングについて発表する。彼の代理人はビバリーヒルズ・スポーツ・カウンシルになる」と、代理人事務所にまで言及。既にドジャースやジャイアンツが獲得に乗り出すという報道もされており、注目は日増しに高まっている。

 西岡への米国内での評価は二極化してきている。ヤフーのジェフ・パッサン記者は「今オフFA市場では内野の層が薄い。落札額は1500万~2000万ドルになるだろう」とツイート。一方で、130試合以上プレーしたシーズンがこれまで2度しかないこと、ケガが多いことなどを不安視するメディアも多い。

 また昨年打率2割6分だった選手が今年、首位打者になったことを今後への好材料とするか、フロックとするかで、見方が分かれている。前ロッテ監督のボビー・バレンタイン氏もESPN電子版の中で「才能ある選手」とした上で「積極的な部分と消極的な部分の波がある。目立ちたがり屋で、今後の成長は、どの球団に入るかによる」と手厳しい。

 ただ米球界関係者の中には、松井秀喜タイプの長距離打者より、イチロータイプのアベレージヒッターの方が移籍後、適応しやすいという評価がある。長距離打者は確実に本塁打数が減るからだ。逆に、今年の西岡のように本塁打数は11本と少ないが、OPS(出塁率+長打率)が9割を超える(9割4厘)ような選手は、移籍後に長打が減っても、成績の下降が少ないとみられており、そういう意味でも人気を集めそうだ。