【フォートマイヤーズ(米フロリダ州)16日(日本時間17日未明)=佐藤直子通信員】レッドソックス松坂大輔投手(30)が、先発ローテーション入りを自力でゲットする。バッテリー組がキャンプインしたが、ベケットやレスターら主力とは別組で練習。5人の先発枠入りを目指し、キャンプ2日目にはブルペンでスライダー、カットボール、チェンジアップを交えながら40球を投げ込んだ。

 「控え先発組」としてスタートしてから一夜明けた2日目。松坂はそんな“屈辱”を気にすることなく、初めてブルペン入りした。ジャスト40球。まるで感覚を確かめるようだった。

 ちょうど1日前。5年目のキャンプインを迎えた。投手陣は6組に分かれて練習を行うが、ベケット、レスター、ラッキー、バックホルツ、ウェークフィールドと、先発主力組がそろうグループ1に「Matsuzaka」の文字はなかった。組分けされたのは、若手中心の控え先発組。過去4年、自動的に与えられてきた先発枠を勝ち取らねばならない立場が浮き彫りとなった。

 他人に指摘されるまでもなく、誰よりも現状を理解している。「健康を保って、結果を残さないといけないのは重々承知している。(先発枠の空きが)残り1つなのか2つなのか分からないですけど、そこにしっかり入っていけるようにしたいです」と言葉を選んだ。通常5人で構成される先発ローテだが、今季はベケット、レスター、ラッキーの3人が確定。昨季17勝したバックホルツも有力で、残る1枠をウェークフィールドや若手と争うことになる。

 地元メディアの大半が、松坂のローテ入りは揺るがないとみているが、最近2年は故障で出遅れ、チームの期待を裏切り続けた。主力組を外れたことは、首脳陣からの警鐘であり、期待の裏返しでもある。これまで“アンタッチャブル”だった地位を揺るがし、危機感を持たせることで、背番号18の秘める実力を最大限に発揮させる効果を狙う。「1年間元気に過ごせれば、それなりの数字が出る」と悲観はしていない。5年目の戦いが始まった。