レンジャーズ・ダルビッシュ有投手(25)が、日本球界の威信をかけて世界NO・1の称号を奪うことを宣言した。24日、札幌ドームに1万811人が詰めかけた一般公開の退団会見を開催。挑戦の動機の1つに、日本人選手の米での低評価と、日本球界でのモチベーションの低下があったことを吐露。本音で明かした発奮材料を胸に、新たなステージで頂点を目指すことを誓った。

 -7年間在籍したチームを離れる今の気持ちは

 ダルビッシュ(以下ダル)

 すごくお世話になりましたし、支えてもらったので、北海道を離れるのは寂しい。

 -レンジャーズの印象と新しい気持ちは

 ダル

 メジャーリーグはそこまで見ていなかったし、あまり分からなかった。フロントの方はじめ、選手、ファンの方が温かくて、日本ハムに似ているチームだなと思った。

 -メジャーで目指す投手像は

 ダル

 世界中の誰からもNO・1ピッチャーはダルビッシュと言ってもらえるようになりたいと思います。

 -日本ハム、チームメートらに向けて

 ダル

 日本ハムというチームはみんなが結束して戦っていますし、どういう状況になっても間違いなく良い成績を残すと思う。僕がプレーしていて思っていたことですが、お世辞とかじゃなくて、ファンの方の応援がないと僕たちは全然力を発揮できない。これだけ温かいファンの応援があるからずっとできていると思っている。チームのみんなもそう口にしています。頑張ってほしい。

 -最後は日本ハムのユニホームを着て終わってほしいというファンの声が多いが

 ダル

 もちろん、もし帰って来るとしたら、それが第1候補なのは間違いないです。

 -7年間で一番印象に残っていることは

 ダル

 自分が投げた試合ではないですが、06年のプレーオフ(対ソフトバンク)【注1】。斉藤和巳さんが投げていて、サヨナラの場面。9回裏の先頭打者のひちょり(森本)さんがフォアボールで出た場面、それはよく覚えています。ベンチ裏の陰から見ていて、すごい声援で、斉藤さんが雰囲気に圧倒されて、確かストレートのフォアボールだった。こんな大投手でもファンの声援には勝てないのかと思った。そこからより強くファンのためにと思うようになった。今でも声援のすべてを覚えています。自分自身の試合ではどの対戦もどの球もすべて全力で投げてきたので、これというのはない。

 -メジャーでの1球目にはどんな球をイメージしているか

 ダル

 キャッチャーのサイン次第じゃないですか。特にプロの1球目も何でというのはなかったですし、そういうのはたぶんない。

 -これからの日本ハムの顔になってほしい後輩、期待する選手は

 ダル

 (笑顔で)木田さん!

 もちろん、木田さんにも頑張ってほしいですけど、ファンの皆さんも中田とか…、あいつが4番になって勝たないといけないと思う。投手も若手が多いですし、全員に期待していますが、中田が1番です。

 -最後にひと言お願いします

 ダル

 05年に入団して、いきなりやっちゃいまして【注2】。自分もホント若くて。最初の過ちを、ファンの皆さんが初登板の札幌ドームでのヒーローインタビューで、温かく迎えてくれたことで、その後の頑張りに変えることができた。この7年間、支えられっぱなしでありがたい限りです。皆さんがいなければ、今日僕は今ここにいないですし、感謝しています。これから先、環境が変わって自分がどうなっていくかも分からないですが、この7年間を忘れずきっちり頑張って、最終的にここにまた戻って来られたらうれしいなと思います。本当にありがとうございました。

 【注1】06年、レギュラーシーズン1位の日本ハムはプレーオフ第2Sでソフトバンクと対戦。10月11日の第1戦はダルビッシュが1失点完投勝利。翌日の第2戦は八木と斉藤和の投手戦。両軍無得点で迎えた9回裏、先頭の森本が四球で出塁すると、2死一、二塁で稲葉の内野安打の間に二塁から本塁を突いてサヨナラ勝ち。斉藤和が号泣し、プロ2年目のダルビッシュがリーグ初優勝を味わった。

 【注2】05年2月の2軍キャンプ中に、未成年ながら喫煙していたことが発覚。その後、沖縄から2軍の千葉・鎌ケ谷へ戻され謹慎処分を受けた。