【ピオリア(米アリゾナ州)12日(日本時間13日)=四竈衛、木崎英夫通信員】マリナーズ川崎宗則内野手(30)が、強烈なアピールを開始した。メジャー30球団のトップとなったマ軍バッテリー組のキャンプイン初日の練習に背番号61のユニホーム姿で参加。大きな掛け声でハツラツとした姿勢を見せるなど、3月28、29日の公式戦開幕シリーズのアスレチックス戦(東京ドーム)に向けて快調な1歩を踏み出した。岩隈久志投手(30)は首脳陣から早くも「自己流調整」を認められた。

 新顔とは思えないほど、川崎はアッという間に溶け込んでいた。バッテリー組のキャンプ初日。一塁スモーク、遊撃ライアンと一緒に、背番号61のユニホーム姿で初めてグラウンドに足を踏み入れた。

 アップ、キャッチボール、投手フィールディングの補助あたりまでは、バッテリー組の練習サポート役だった。だが、フリー打撃、ノックとメニューを消化するころになると、持ち前の元気印が顔をのぞかせた。18日(同19日)の野手組開始を待ち切れないかのようにテンションが上昇。ノッカーに対し、1球ごとに「ヘイ、カモーン!」などの大きな掛け声を出すのは、米国にはない習慣。あまりの明るさと威勢の良さに、同僚やコーチ陣らもつられて声を出すほど。川崎の存在感がフィールドの空気を変えた。

 見守っていたトンプソン・ベンチコーチも、積極的で明るい姿勢に感心しきりだった。練習の合間には身ぶりを交えながら談笑。「経験豊かな選手の一方で、すごくエネルギーと情熱がある。不思議な英語を話していたが、よくしゃべるし、元気がある。ボールさばきもいいし、彼には多くの機会を与えたいね」。オープン戦では遊撃だけでなく、二塁、三塁でも起用する方針を明言。開幕メジャーについても「かなりのチャンスがあると思う」と好印象を口にした。

 練習後の川崎は多くを語らなかったが、低迷続きのマ軍にとって、もっとも必要な元気さと明るさを吹き込んだ。首脳陣へのアピール度は十分だった。