【メリーベール(米アリゾナ州)23日(日本時間24日)=四竈衛】ブルワーズ青木宣親外野手(30)が、同地のキャンプ施設で会見し、首脳陣から「レギュラー待遇」を約束された。薬物疑惑のあった主砲ブラウンの出場停止処分がクリアになったことで、定位置争いは激化。それでも、3拍子すべてでレベルの高い青木の実力は認知されており、「開幕スタメン」の可能性は極めて高そうだ。

 記者会見と自主トレを終えた青木は、野球少年のような笑みを浮かべた。「気持ち良く練習できました。ちょっと幸せを感じてました」。約1時間の軽いメニューだったが、念願だったメジャーの入り口に立てた喜びは、格別だった。

 1月8日、同地で練習を披露した後、ブ軍と契約。今キャンプで定位置争いに挑むことに変わりはない。チームに溶け込むことを重要視する一方で、「(同僚を)尊敬はしますが、ライバルでもある」と対抗心を隠そうとはしなかった。「できる限りの準備はやってきましたから」。

 もっとも、ブ軍首脳陣の計略は定まっていた。レネキー監督は「日本で首位打者、ゴールデングラブ賞を取った洗練された選手。どんな形でもチームに貢献してくれる」と、走攻守すべてで高く評価した。ブラウンが開幕OKとなったことで、今後は右翼ハートの一塁コンバートを具体化する方針。主軸に右打者の多いチーム事情もあり、全外野を守れる青木への期待値は極めて高い。メルビンGMは「適応する期間も必要。すぐに結果を出さなくても大丈夫だよ」と、オープン戦の数字を度外視する、異例の待遇を約束した。

 無論、青木にひるみはない。「環境に慣れること。チャレンジできることをうれしく思っています」。背番号「7」のユニホームに袖を通した青木の表情は、アリゾナの青空のように晴れわたっていた。

 ◆ブルワーズの開幕予想布陣

 主砲ブラウンが出場停止処分を免れたことにより、大幅な戦力ダウンを回避。キャンプの主要テーマは、タイガースに移籍したフィルダー一塁手の後継者探しに移る。球団は昨季3Aで28本塁打、96打点のガメル内野手にもチャンスを与えたい意向。ただオープン戦で結果を残せないと、マイナー時代は一塁手だった右翼ハートのコンバートが現実味を帯びる。198センチの長身だが俊足で守備範囲は広く、強肩なので右翼守備も捨てがたい。中堅モーガンも守備は一級品。青木は攻守でハイレベルな内容を求められる。