<ヤンキース5-3レイズ>◇15日(日本時間16日)◇ヤンキースタジアム

 ヤンキースのイチロー外野手(38)がマジック「17」点灯に一役買った。レイズ戦で本拠地初の「1番」に入り、2番ジーターとのコンビで追加点をもたらした。3-0の5回2死から中前打で出塁。ここで「けん制は(メジャーで)一番速い」と認めるシールズを揺さぶった。執拗(しつよう)なけん制にも間合いを合わせながら、1ボール2ストライクからの5球目にスタート。完璧なタイミングで二塁を奪った。

 マークを引きつけてもらったジーターはバットで応えた。粘った9球目を中前に転がし、イチローをホームに迎え入れた。ジラルディ監督は「ジーターの粘りでイチが盗塁できたし、あの打席は素晴らしかった」と共同作業を褒めた。

 マリナーズで指定席だった1番に座ったのは、移籍3試合目で古巣相手の元本拠地で戦った7月25日以来。「1番で、ちょっとは『おっ』と思うけど、緊張感は変わらない」と話しながらも、「でも状況は変わるよね」と意識して臨んだ。1番では移籍後の初得点を記録し、メジャー1年目から12年連続となる150安打で花を添えた。

 同率だったオリオールズが敗れて、チームは単独首位に再浮上。イチローは「このチームでは1つのプレーが結果的にすごく大きなものになる」と勝利を喜んだ。(ニューヨーク=水次祥子)