<ブルワーズ3-0メッツ>◇16日(日本時間17日)◇ミラーパーク

 打って走って勢いを呼び込んだ。ブルワーズ青木宣親外野手(30)が二塁打2本を放ち、連続試合安打を7に伸ばした。1四球に2盗塁も決めて連勝に貢献。ワイルドカードで2・5ゲーム差につけるプレーオフ争いは、18日からの16連戦が最後の勝負となる。

 身長175センチの小兵が、メッツの208センチ右腕ヤングの足をすくった。3回の第2打席。粘った末の9球目を中越え二塁打にすると、次打者の初球に三塁を陥れた。「あれだけ大きいとモーションも大きい。試合前から頭にあった」。弱点はしつこく攻めるのが鉄則。5回にも右翼線二塁打の後、三盗を決めた。主役の座こそ通算200号と今季40号を連発したブラウンに譲ったが、攻撃のリズムをつくった名脇役の働きも見逃せなかった。

 1カ月前、チームは借金12のどん底にあった。エース・グリンキーもトレードで放出され、ほぼ終戦ムードだった。そこから崩壊状態だった投手陣が意地を見せ、青木の加入で厚みを増した打線がかみ合っての快進撃に「正直に言って、ここまでくるとは思わなかった」。20連戦を15勝5敗、この3連戦も2勝1敗で乗り切り、貯金を2とした。

 シーズン終盤の争いに飢えている。ヤクルト時代の8年間で優勝は1度もなく、クライマックスシリーズに2度出場しただけ。「16連戦ですべてが決まる。立ち止まらず、やっていきたい」。控えからスタートした今シーズンの集大成をかけ、逆転プレーオフ進出へラストスパートに入る。