レンジャーズのダルビッシュ有投手(28)が「遅球」を守るため、ツイッターの議論に飛び込んだ。夏の甲子園で東海大四(南北海道)の西嶋亮太投手(3年)が九州国際大付(福岡)戦(14日)で投じたスローボールがツイッター上で話題となり、ダルビッシュも日本時間の17、18日に“参戦”。批判の声に「賛否あることがおかしい」「スローボールは変化球のルールの範囲内」などと持論を展開した。事態は米経済誌ウォールストリート・ジャーナル電子版が経緯を報じるまで発展した。

 今年7月の米球宴初登板でスローカーブを投げてファンを喜ばせたダルビッシュは、黙っていられなかった。西嶋の超スローボールがツイッター上で話題になっていることを知り、連日反応。この日は「大体賛否あることがおかしい。ボールを切って投げてるわけじゃあるまいし。どんなボールを投げたっていいでしょう」と更新。さらに「甲子園デビュー初球をサイドスローで投げた僕は批判されなかったのに(笑)」とも続けた。

 発端は元フジテレビのアナウンサー岩佐徹氏(75)のツイートだった。同氏が14日に西嶋のスローボールに「投球術とは呼びたくない」と批判。その後、ツイッターが炎上するにいたり、翌15日には謝罪。同ツイートを削除していた。だが17日にダルビッシュが「スローボールかスローカーブかが投球術ではないという話があると聞きました。自分としては一番難しい球だと思ってます。言ってる人はピッチャーやったことないんだろうなと思います」とつぶやき、オンライン上で意見のぶつかり合いが再燃していた。

 米メディアまでがやりとりを報じる事態となった。18日付のウォールストリート・ジャーナル電子版は「ダルビッシュが高校生のスローボールを守る」との見出しで、ツイッターの写真や西嶋の投球動画を貼付して報道。ダルビッシュは西嶋個人を擁護したのではなく、投手の聖域を示したかったのだろう。<スローボール論争

 主なツイート経過>

 ▼発端

 元スポーツアナウンサーが14日、自身のツイッターで同投球について「ダメとは言わないが、少なくとも、投球術とは呼びたくない」などと更新。

 ▼謝罪

 同氏のツイッターが炎上し、15日に「西嶋投手とその関係者の目には触れていないと思いますが、不快な思いをさせたことお詫びします。ごめんなさい」と謝罪し、ツイートを削除した。

 ▼ダルビッシュ参戦

 17日にダルビッシュが、自身のツイッターで「一番難しい球」と反論した。男性アナからの返信には「彼(西嶋)もせっかくの晴れ舞台ですから“魅せる”思いもあったと思います」と擁護した。18日には「変化球投げただけで批判的な意見出てたらおかしいでしょう」。「サイドは投球フォームの、スローボールは変化球のルールの範囲内」などと更新した。

 ▼タレント武井壮も参戦

 18日に武井が自身のツイッターで「スローボールの何が悪いのかわからん」などと更新し、ダルビッシュがリツイートした。