<マリナーズ4-3エンゼルス>◇26日(日本時間27日)◇セーフコフィールド

 瀬戸際でマリナーズ岩隈久志投手(33)が意地を見せた。負ければ13年ぶりのプレーオフ進出が消滅する正念場。相手はメジャー1位の勝率6割超えでア・リーグ西地区を制したエンゼルスだ。6回1/3を投げ、強力打線を4安打2失点に抑え込んだ。メジャー3年目で自己最多の15勝。「ほっとしている。素直に喜びたい」と胸をなで下ろした。

 内外角を広く使い、切れのある速球やスプリットを投げ込んだ。「自分の投球を最後につかむことができた」と、5回までに許した安打は2本のみ。6回に連続本塁打を浴びた直後は、お返しとばかりに3、4番のプホルスとケンドリックを連続三振に仕留めた。

 ここ3試合はいずれも5回を持たず、3連敗していた。「最近良くなかったので、攻めていこうという気持ちで、全力でいった」。迷いは捨てた。本拠地の歓声を背に、レギュラーシーズン最後の登板で本来の安定感を取り戻した。

 7回に1死を取った後、スライダーが大きく外れ、故障を予防する意味で交代した。残り2試合で、ワイルドカードを争うアスレチックスとはぎりぎりの2ゲーム差。それでも「(プレーオフで)次の登板があると思って、準備をしていきたい」。これが今季最後のマウンドとは、みじんも思っていなかった。