<ワールドシリーズ:ジャイアンツ11-4ロイヤルズ>◇25日(日本時間26日)◇第4戦◇AT&Tパーク

 ロイヤルズがジャイアンツの猛攻に屈し、逆転負けした。2試合連続で先発から外れた青木宣親外野手(32)は、同点の6回無死一塁の場面で代打出場。一ゴロ併殺で好機をつぶし、皮肉にもその裏、ジ軍に3点を勝ち越された。ロ軍は序盤の3点リードを守れず、2勝2敗のタイとなった。

 青木が自軍に傾きかけた試合の流れを止めてしまった。ロイヤルズは4-4の同点に追いつかれた直後の6回に無死一塁と攻め、一塁走者は今季36盗塁の俊足ダイソン。願ってもない勝ち越しの走者を置いて、青木が「最悪の場合でも(走者を)二塁に進めることは頭にあった」と、2試合ぶりの出場となる代打指名を受けた。

 一塁けん制に続く初球は、外角高めのボール球。続く2球目のストライクゾーンに飛び込んできた87マイル(約140キロ)速球を振った。痛烈なライナーは一塁手の正面を突き、結果は「ちょっと最悪な感じだった」と一ゴロ併殺。勝ち越し機を一瞬にしてつぶした。確実に1点を取るなら送りバントのケースだが、ヨースト監督は「2点勝ち越しを狙いにいった。ノリは広角に打てるので安打を期待し、次打者エスコバルにバントさせるつもりだった」と説明。大量点を狙った采配が裏目に出た。

 青木は「ほんのちょっとの差。少しずれた」と声を落とした。7点差の大敗を喫したが、まだ2勝2敗のタイ。試合後に短いミーティングが開かれたクラブハウスには、悲壮感ではなく巻き返しに対する期待と自信が漂った。ワールドシリーズで安打のない青木も、「まだ五分五分だし、とにかく明日取って次につなげたいと思います」。残り3戦で2勝すれば世界一。第6戦以降は本拠地に戻る。本当の勝負はこれからだ。【サンフランシスコ(米カリフォルニア州)=四竈衛、佐藤直子通信員】