阪神が海外FA宣言した鳥谷敬内野手(33)に対し早ければ週明けの17日にも直接会談で再度慰留する方針であることが13日、分かった。球団首脳によれば米国視察から帰国した鳥谷との会談の日程を調整中だという。メジャー挑戦が濃厚な生え抜きスターだが最後まで全力で引き留める。

 この日、猛虎にとってはショッキングな事実が判明した。鳥谷の代理人がスコット・ボラス氏(62)に決まった。GM会議の行われている米フェニックスで同氏が会見。鳥谷とこの日までに正式な代理人契約を交わしたと明かした。獲得を目指す中島と同じ代理人という事実に中村GMも「初耳だ。面食らうな」と驚きを隠さなかった。

 ボラス氏は10年連続全試合出場を続ける鉄人ぶりを「日本のカル・リプケンJrだ。プロフェッショナルで天性のアスリートだ」と表現し、メジャー契約に自信を見せた。メジャー歴代1位の2632試合連続試合出場記録を持つ「鉄人」に例え、さらに「彼は毎日プレーすることを望んでおり大リーグでも毎試合、内野手としてプレーできる」と自信をのぞかせた。

 また同氏が「攻撃力もある遊撃手を探しているチームはある」と話したように、今オフのFA市場は、遊撃、二塁、三塁の内野手が不足。ラミレス(ドジャース)、ローリー(アスレチックス)、カブレラ(ナショナルズ)らが上位にランクされるとはいえ飛び抜けた存在は限られる。日本人内野手の評価が下がり気味だが「彼はどこでも守れる。しかも、捕球、スローイングの仕方を熟知している。ほぼ中南米系のような技量がある」と強気。すでにブルージェイズを筆頭に今季ナ・リーグ東地区を制したナショナルズ、ダイヤモンドバックスら複数球団が獲得調査を進めている。

 それでも球団は全力で慰留する方針を崩さない。南球団社長、和田監督というフロント、現場の両トップが直接出馬する可能性もある。

 ◆カル・リプケン

 1960年8月24日、米メリーランド州生まれ。78年ドラフト2位でオリオールズ入団。81年メジャー初昇格。翌82年に28本塁打、93打点で新人王。同年5月から連続試合出場がスタートし、98年9月まで2632試合連続出場の大記録を樹立。01年限りで引退した。