レンジャーズ傘下3Aから自由契約となっている田中賢介内野手(33)が、近日中に日本ハム復帰を決断する見込みであることが11日、分かった。米国に残ってのプレーを最優先に移籍先を模索してきたが、この日までオファーがなく、早い段階から打診のあった古巣・日本ハムに復帰する道を選ぶもよう。来季3年ぶりのリーグ優勝を目指すチームにとっても、心強い戦力が戻ってくることになる。

 古巣復帰が秒読みとなった。去就の決まっていなかった田中が、近日中にも日本ハムへの再入団を決断する。レンジャーズ傘下3Aを7月に自由契約となって以降も、活躍場所を米国に求めてきたが、現状では厳しい情勢。国内他球団も獲得の調査には動いたが、日本ハム愛を貫き、再び慣れ親しんだユニホームに袖を通すことになりそうだ。

 日本ハム、北海道への感謝を胸に、夢を追ってきた。12年オフに、3年契約を1年残して海を渡った。ジャイアンツとマイナー契約を結び、本職だった二塁手のほか、外野にも挑戦した。だが、メジャー15試合に出場したものの、シーズンの大半をマイナーで過ごし、レ軍と同契約した今季も最終的にメジャー昇格はなかった。

 挑戦を諦めきれず、来季も米国でのプレーを望んだことで、去就の結論はここまで大きくずれ込んでいた。しかし、メジャー各球団のGMや選手代理人が集い、移籍交渉が活発となるウインターミーティング(米カリフォルニア州サンディエゴ)が始まっても、吉報は届かなかった。今日12日の同ミーティング終了で区切りをつけ、球団側に決断を伝えるとみられる。

 日本ハムからは早い段階からオファーをもらっていた。2年の複数年契約を提示されたとみられ、大きな期待も感じていた。国内の複数球団も興味を示していたが、日本球界復帰であれば、日本ハムへの再入団で一本化していたようだ。

 田中は日本一となった06年に頭角を現し、10年には打率3割3分5厘をマークした。ベストナイン、ゴールデングラブ賞をともに5度獲得し、4度のリーグ優勝に貢献と、日本での実績は十分。米移籍直前の12年も、キャプテンとしてチームを支え、リーグ優勝を果たし、就任1年目だった栗山監督を胴上げした。

 チームはその後、2年連続でV逸。稲葉、金子誠が引退し、小谷野がオリックスに移籍するなど、世代交代の波も押し寄せている。復帰となれば、若手主体のチームの中で、存在感は以前にも増して大きくなる。

 ◆田中賢介(たなか・けんすけ)1981年(昭56)5月20日、福岡県出身。東福岡から99年ドラフト2位で日本ハム入団。日本通算1079試合出場、打率2割8分6厘。ベストナイン5度、ゴールデングラブ賞5度。12年オフに海外FA権を行使しジャイアンツとマイナー契約。13年7月にメジャーに初昇格し15試合出場で打率2割6分7厘、2打点、2盗塁。今季は7月までレンジャーズ傘下3Aラウンドロックでプレー。176センチ、78キロ。右投げ左打ち。