日本ハム大谷翔平投手(20)が、本拠地で「W開幕」を飾る可能性が出てきた。沖縄・名護キャンプを終えたチームは1日、北海道へ戻った。新千歳空港でイベントに参加した栗山英樹監督(53)は、3月27日楽天戦(札幌ドーム)で開幕投手を務める大谷の同一カード3戦目(29日)の野手出場に、前向きな姿勢を示した。体調次第だが、3年目は開幕カードから「二刀流」でファンを沸かせる。

 開幕シリーズから投打「二刀流」でフル稼働する。日本ハム栗山監督は、3月27日楽天戦(札幌ドーム)で開幕投手を務める大谷の野手起用について、中1日となる同29日の第3戦(同)から出場させることを示唆。「(大谷)翔平の気持ちも考えたら、いった方がいいのかなとも考える。(シーズンの)最初は気持ちも入っているから、ケガもしないかな」。状態を慎重に見極めながらも、可能なら出場させる考えを明かした。

 登板から中1日で野手出場したケースは、昨季も24試合の登板で11度ある。だが今回は自身初めての開幕戦のマウンド。通常の試合以上に負担は大きいと予想され、同監督も「普通は休ませる。普通なら考えにくいし、それはナシだからって言ってた」と、当初は2カード目となる同31日ロッテ戦(QVCマリン)が“野手開幕戦”になる見込みだった。

 だが、沖縄・名護キャンプを順調に消化し、現在のところ体調面に不安はない。大谷も「(疲労は)特に感じないですね。そんなに出場もしてないので。(注意するのは)ケガしないこと」と涼しい顔だ。また、多くの地元ファンでスタンドがいっぱいとなる本拠地開幕カードだけに、本人の出場意欲も相当に高まるとみられ、栗山監督は敵地で“開幕”を迎えるよりもプラス効果が大きいと判断したようだ。

 2月のキャンプ中は9日の紅白戦に登板後、中1日となる11日阪神戦で1号本塁打を放っている。そこから野手出場4試合連続安打と結果を残し、「打つ方に関しては心配していない」(同監督)状態。大谷の攻撃力が、チームにとって欠かせない戦力になっていることも根底にはある。

 明日3日には巨人とのオープン戦(札幌ドーム)で今季本拠地初登板する。70~80球を目安に投げる予定で、公式戦へ向けて調整のペースも上がっていく。この日、到着した新千歳空港で行ったトークショーで、指揮官は「あさって(3日)の試合が(開幕戦の)オーダーの雰囲気、こんなことを考えているのかなぁというのが見える試合になる」と、開幕スタメンに近い形で戦うことを予告した。まずは投手・大谷が、「開幕白星発進」の予行演習をする。【本間翼】

<大谷の過去2年初出場>

【13年】

 ◆野手 開幕戦の3月29日西武戦(西武ドーム)に「8番右翼」で先発出場。4打数2安打1打点で、2リーグ制後、開幕戦2安打の高卒新人は史上2人目だった。

 ◆投手 開幕から44試合目の5月23日ヤクルト戦(札幌ドーム)で5回2失点デビュー。86球のうち直球が65球。勝敗は付かなかったが、最速157キロで150キロ以上が43球と真っ向勝負を挑んだ。

【14年】

 ◆野手 開幕戦の3月28日オリックス戦(札幌ドーム)に「3番右翼」で先発。相手エース金子から2本の二塁打で6打数2安打1打点をマークし、4番中田と打線をけん引した。

 ◆投手 開幕から6戦目の4月3日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で初登板。右ふくらはぎがつるアクシデントに、体調不良も重なり、大事を取って3回で降板。5安打2失点で勝敗は付かなかった。