左前腕部の炎症で2軍調整中の巨人内海哲也投手(32)が、早ければ4月中旬にも実戦復帰することが19日、分かった。川崎市内のジャイアンツ球場室内でネットスローを行い、3日続けて患部の状態を入念に確認した。リハビリは慎重に進める予定だが、順調なら近日中にキャッチボールを再開。ブルペン投球など段階を経て、来月中旬の実戦登板を目指す。

 静まりかえった室内練習場ブルペンに、背番号26がいた。内海は捕手の位置に立てたネットに向かい、痛めた左腕をゆっくりと振り始めた。患部の状況を確認しながら、少しずつ離れていく。マウンドの土と人工芝の境目まで下がり、約15メートルまで距離を伸ばした。3日間、人知れずにネットスローで確認作業を続け、この日は合計で約50球。「大丈夫です」と力を込めた。

 長期離脱の懸念もあったが、早期復帰の可能性が出てきた。決して軽症ではないが経過は良好。近日中にキャッチボールを再開させ、ブルペン投球、フリー打撃登板と段階を経て、来月中旬にも実戦マウンドに復帰できる見通しとなった。状態次第で予定がずれ込む可能性もあるが、細心の注意を払いながら、着々と準備を進めていく。

 大黒柱不在の開幕は、菅野と杉内に託すことになりそうだ。2年連続の開幕投手が決定している菅野は、今日20日の日本ハム戦(東京ドーム)で最終登板の予定。「締まった試合をしたい。いいシーズンを迎えるための試合にします」と頼もしかった。開幕2カード目の初戦となる31日の中日戦(ナゴヤドーム)は杉内に内定した。内海は離脱後も無念さを表情に出すことなくひたむきに鍛錬を続け、元気に練習を盛り上げて士気を高めている。そんな頼れる左腕の思いも受け止め、全員で乗り切っていく。