第63回春季全道高校野球大会旭川地区(8日開幕、旭川・スタルヒン球場)、名寄地区(9日開幕、士別・ふどう)、空知地区(5日開幕、滝川市営)の組み合わせ抽選会が30日、旭川市内ほかで行われた。

6年ぶり9回目の春季全道進出を目指す旭川地区の旭川実は、5月10日の2回戦第2試合で、昨季まで2年連続地区代表の難敵・旭川明成と、初戦でぶつかることが決まった。プロ注目のMAX147キロ右腕エースで、主将の田中稜真(3年)は「勝つこと以外は考えていない」と、大会への決意を語った。

昨秋の全道2回戦では、準優勝した東海大札幌に9回12安打を浴び、3-5で敗れた。冬期間は「西武今井投手の破壊的なストレート」(田中)を目標に、連日就寝前にお餅5個やバナナを食べ、体重を約半年で8キロ増。4月初めのトレーニング中の簡易計測で、早くも145キロを計時した。強くなった直球をより生かすため、真横に曲がるカットボールにも磨きをかけた。今春から解禁された2段モーションにも挑戦。ありとあらゆる手段を使い、自分を成長させた。

現在ロッテ育成で奮闘する兄楓基(ふうき)投手(20)の高校時代の自宅での姿を思い出しながら、自らをさらに高める。「兄はストレッチなど、自分で決めたことは必ずやり遂げていました。最終的に目指す場所(プロ)は同じですから、僕もストレッチなど、体のケアは欠かしません」と話す。

春季大会は、今冬の成長を確かめる場所であり、夏の甲子園、そして秋のドラフト指名に向けた大事な通過点だ。「順調にいけば、夏までに150キロは絶対に出ると思います。あとは(試合の)結果。結果が出なければ、自分の希望する進路(プロ)には行けないですから」。キャプテンとしてエースとして、“結果”だけを追い求める日々が始まる。【中島洋尚】