阪神和田豊監督(52)の出した結論だった。オープン戦残り4試合、中日との「開幕前哨戦」に送り出したのは1番鳥谷、2番上本、そして、3番西岡と続く打線だった。今季の看板となる1、2番コンビが出塁し、主砲ゴメス、マートンがかえすという必勝パターンで3点を奪って勝った。試合後、指揮官は開幕オーダーが決まったことを事実上、認めた。

 和田監督 もう、ここからは試している時期じゃないのでね。(京セラドーム大阪での最後の)3試合、同じメンバーを組むかどうかは別にして、ほぼ臨戦態勢に入っていきたいと思います。

 1番に鳥谷を置く新打線構想で最も悩んだのが3番打者だった。大本命の西岡剛内野手(30)が右肘手術明けの影響からか状態が上がらなかった。マートン、福留を3番に起用するなどテストを重ねた。それでも最後は西岡に任せた。この日、四球と失策で出塁も、3打数無安打に終わった西岡は自らの現状と、今シーズンへの決意をこう話した。

 西岡 ヒットは出なかったけど、塁に出ることで得点になることは証明できた。僕が開幕に向けて状態を上げていくのは必要なこと。1、2番が出て、チャンスで僕がつなげれば後ろに得点を取れる打者がそろっているので大量得点になる。今はブレーキになっているけど、3番で使ってもらっている以上、結果を出したい。出すことで強いチームになっていく。足も含めてチームに貢献したい。

 現状と向き合い、自らを「ブレーキ」だと表現した。ただ、それは決してネガティブなトーンではなかった。打線の中で期待される役割を明確に把握しながらこれからの逆襲を確信しているようだった。今月中旬に右肘の影響でオープン戦を欠場したが、実戦復帰してから打席を追うごとに状態は上がっているという。

 和田監督 日に日にだよね。スイング自体は問題ないし。あとはキレだけだ。

 長いシーズン、打線には複数のパターンを用意する方針だが、開幕はこれでいく。そして、勝つ-。そんな覚悟が指揮官からも、西岡からもにじみ出ていた。【鈴木忠平】