オリックス森脇浩司監督(54)が試合後に思わず「ハハハ」と苦笑した。待望の開幕1勝をつかんだ。6回に集中打で一挙8点など、今季初の2桁得点。試合前には「月が変わったからツキも持って来たいね」と話していたが、今後の流れも引き寄せるような逆転劇だった。「うちらしい攻撃がようやく出た。リードされる時間が長い中で、よく食らいついてくれた」と振り返った。

 開幕2週間前の3月13日には亡き親友に健闘を誓っていた。現役時代に深く親交があり、32歳で亡くなった元広島投手の津田恒実さんの墓参り。多忙の中で山口・周南市まで足を運んだ。急斜面の坂を上り切ったところにある墓の前で、2分以上も手を合わせた。

 「見守っていてくれと。アイツはあれだけの局面になっても前を向いていた。それはすごいことだよ」。脳腫瘍にも立ち向かった友の姿は今も焼き付いている。就任3年目。トンネルを抜け、19年ぶりリーグ制覇への1歩を踏み出した。