主砲が豪快2発! 日本ハムの4番中田翔内野手(25)が15日のロッテ5回戦(札幌ドーム)で、5号3ラン、6号2ランと今季初の1試合2本塁打を放ち、自己最多タイの5打点で快勝に導いた。「3番DH」で出場した大谷翔平投手(20)も先制の2点適時二塁打で、「平成のON」で最多の計7打点。打の主役が連敗を阻止した。

 黒光りした、自慢の両腕がうなった。中田が、頼もしく兄貴肌を見せた。3回。後輩の大谷が先制した直後に、再び見せ場をつくった。内角高めに浮いたボール球も、持ち前のパワーで「味方」にした。「詰まり気味ではあったんですけど、まあ入ると思いました」。左翼席へ一直線の5号3ラン。豪快に11打席ぶりの安打を、アーチで飾った。「僕らしく、豪快な本塁打でした」。お立ち台では、惜しむことなくドヤ顔を見せつけた。

 大谷との「平成のON」がそろっての打点は、通算14度目で今季初。大谷から「翔さん」と呼ばれる先輩は「翔平も、ここぞという時に打ってくれるので頼もしいよ。すごい打者としか言いようがない」と5歳下の大谷を称賛した。今季、本塁打を放った5試合は全勝。1発目の後に広報を通じ「打率を上げることに必死です」とコメントしたが、試合後は「もともと、真剣に言ったつもりはないんだけどさ」とニヤリ。「しっかり自分の打撃が出来れば徐々に上がっていく」と自信に満ちていた。

 たくましく、おとこ気ある姿を体現した。8日西武戦。運命的な出会いを果たしていた。ファーストピッチを務めた俳優哀川翔。ほれぼれと目に焼き付けていた。「カッコイイよね」と崇拝する、数少ない人物。名前は同じ「翔」で、こわもてながらユニークなトークでファンサービス旺盛な一面は、どこか似ている。「(テレビ番組の企画)男気ジャンケンは見ているから、そのイメージは強い。オファーがあれば、出たいね」と痛快な姿に、人知れず酔いしれていた。

 憧れの人のように、ワイルドに勝負を決めた。7回には6号2ラン。「自分の中でも、すごく気持ちの良い本塁打になった」。自身100号を達成した昨季8月5日オリックス戦以来の1試合2発。計5打点は昨季6月3日広島戦以来の自己最多タイと、主役の座を一気にかっさらった。「邪魔な情報は頭に入れず、1打席1打席大事に入りたい」。力みなぎるその先で、本能がうずく大舞台が待っている。【田中彩友美】

 ▼日本ハム中田と大谷が今季初のアベック打点。13年開幕戦の3月29日西武戦(西武ドーム)を皮切りに通算14度目で13勝1敗。14年4月17日オリックス戦(ほっともっと神戸)で唯一黒星も、札幌ドームでは6戦無敗となった。2人で計7打点は最多。

 また、中田の1試合5打点は自己最多タイで、14年6月3日広島戦(札幌ドーム)以来、通算7度目。