日本ハムの快進撃が、小休止した。楽天戦で勝負どころで攻守に精彩を欠き、競り負けた。今季7カード目にして初の負け越し、初の連敗を喫した。中田が今季初の猛打賞の3安打1打点と孤軍奮闘も、打線は連動せずに9残塁。好機を生かせなかった。要所で守備のミスもあり、失点へつながるなど課題も露呈。貯金は5で首位キープも、手綱を締め直す節目になった。

 サバサバとしていた。今季初めて味わう、ほろ苦さ。栗山英樹監督(53)は堪能しているかのように、軽快に敗戦の弁をつないだ。「連敗しないで戦おうということは、ずっと言っていたけれどね。悪い流れが来る時もある。それを断ち切らないとね」。ペナント奪回を狙う長い1年で、まだ15試合目。駆け抜けるために向き合うべき、必須な節目だった。

 今季初のカード負け越しで、連敗。必然の負の連鎖があった。1回の1点の援護をもらった上沢が直後の2回、先頭の藤田に四球。続く嶋への初球でボークを犯した。一塁手・中田のサインミスだった。ピンチを広げ、2死三塁からサンチェスに逆転2ラン。4回に振り出しに戻したが、6回にまた先頭打者への四球を足がかりに2点を献上。楽天に、押し切られた。

 その6回。1点を勝ち越された直後の1死一、三塁。浅い中飛を強肩の岡が処理し本塁へ返球。捕球できていればアウトのタイミングだったが、近藤が落球。致命的な追加点を許した。試合の要所を含め、経験値が少ない伸び盛りの若手主体の布陣。爆発力もあるが反面、粗さもある。栗山監督が「いくつか課題ははっきりしている」と、洗練させるべき点を発見した。

 前夜の同戦も、バッテリー間のサインの意思疎通が図れずに失点を喫していた。今季初の猛打賞の中田は守備の甘さを嘆いた。「ああいうのを減らしていかないといけない。悔しい」。これまでの快進撃の道中でも細かいミスが噴出していたが、好調なことで埋没していた。指揮官は、言い聞かせた。「自分たちのできることをしっかりやっていきたい」。余力あるうちに再出発をする。開幕ダッシュに成功した強みを、生かしていく。【高山通史】