宿題をもらって、再びファームで出直す。初の京大卒プロ野球選手で、ロッテのドラフト2位田中英祐投手(23)の2軍降格が決まった。先発デビューから中1日で臨んだ2戦目は初の救援マウンドも、日本ハム打線につかまり、3回を6安打4四球4失点と再び打ち込まれた。2戦計9失点で防御率は13・50。制球難と力不足を痛感するとともに、1軍在籍3日で試合後、2軍での再調整を命じられた。

 追試でも及第点に及ばず、1軍から落第した。立ちはだかるプロの壁に、ロッテ田中の顔が青ざめた。ロングリリーフも3イニング目に突入した6回、容赦ない洗礼打を浴びた。先頭の4番中田にすべて直球勝負を挑み、2球で簡単に追い込んだまでは良かったが、3球目の143キロは軽々と左翼線を破られた。近藤まで3連打の後、2死満塁から西川には2点適時打。この回だけで5安打を集中され、さらに3失点で試合を決められた。

 対戦も2巡目となれば、力の差は歴然だった。4回、陽岱鋼の打席で記録した1軍最速147キロの直球は、6回途中から135キロまで減速した。変化球もスライダーでしかカウントを稼げず、コースも甘かった。立ち上がりの4回は先頭の田中にストレートで、レアードには押し出しと、この回だけで4四球を乱発。初登板初先発となった4月29日の西武戦と同じく、制球難を解消できなかった。伊東監督は「球の強さも、変化球の切れもない。それをカバーするコントロールもない」とバッサリ。「少し期待していたけど、早過ぎたかな。厳しいですね。もう1回、下でやってもらう」と2軍降格を決めた。

 72球を投じたデビュー戦から中1日。心身の疲労が残り、屋外での初ナイターと慣れない条件も重なった。それでも田中は「自分の力のなさ。フォームだったり、クイックだったり、課題はいっぱいある」と現実を受け止めた。2軍では再び、先発として経験を積む。「いい経験をしたとはいわないけど、2回もチャンスをいただいた。ここで投げられるように、もう1回、下でやり直したい」。真っすぐ前を向き、荷物をまとめて1人、帰寮した。【中島正好】